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試合結果 4/17 新木場1stRING『ATTACK4』

『ATTACK4』
観衆:140人(札止め)

▼第1試合「新木場闘会始」(30分1本勝負)
黒田哲広(フリー)&新納刃(MAKAI)&○マスクドミステリー
8分8秒 チョークスラム→片エビ固め
[渡鳥連合]藤原秀旺(アライヴアンドメジャーズ)&竹田誠志(フリー)&●木村太輔(アライヴアンドメジャーズ)

▼第2試合「新木場異次元対決」(30分1本勝負)
○阿部史典(BASARA)
9分35秒 ウラカン・ラナを切り返してのエビ固め
●がばいじいちゃん(フリー)

▼第3試合「SURVIVAL TAG WAR」(45分1本勝負) 
○政岡純(紫焔)&竹田光珠(666)
12分0秒 2trap
柴田正人(フリー)&●那須晃太郎(フリー)

▼セミファイナル「T-odds VS SOS」(60分1本勝負)
[T-odds]TORU&●瀧澤晃頼
17分12秒 展覧会の絵→片エビ固め
[Speed of Sounds]○ツトム・オースギ(フリー)&バナナ千賀(フリー)

▼メインイベント「CCW認定カナディアンヘビー級選手権」(60分1本勝負)
【王者】○木下亨平(ダブプロレス)
12分13秒 スクールボーイ
【挑戦者/真GUTS軍】●ガッツ石島
※第12代王者が初防衛に成功

オープニング


 第1試合開始前、ガッツ石島よりお知らせがあるということがリング上にガッツが登場。
 これまでの1年間は既存の王座であるCCWカナディアンヘビー級王座が事実上TTTのシングル王座として扱われていたが、2年目に突入したTTTは団体独自の王座であるTTT認定インディー統一無差別級王座を制定することとなった。

ガッツ「皆さんこんばんは!お足元の悪い中、TTT新木場1stRING大会にご来場いただき誠にありがとうございます!今日私から1つ発表がありまして。TTTも設立して1年経ちますんで、TTTでシングルのタイトルを創ることになりました!もうベルトのデザインは出来てまして、あとで売店にも飾るんですけど、TTT認定インディー統一無差別級王座というシングルのタイトルを創ることになりましたんで!そして今日のメインで僕が亨平からCCWカナディアンヘビー級のベルトを獲って、今流行りのベルト統一をしたいと思います!なので、今日CCWを獲ってこの初代王座に統一しますんで、皆さん応援の程、宜しくお願いします!

第1試合


 TTTの第2試合の門番として元FMW勢などの選手たちとシングルマッチを行ってきた黒田だが、前回大会の6人タッグマッチでフリーバーズな悪党集団・渡鳥連合と初邂逅を果たしチームとして敗北を喫する苦杯を喫した。この日はミステリー、そして昨年7月以来の参戦となる刃をパートナーに再び渡鳥連合と対峙した。
 なお、秀旺は黒田へこの試合を“東風戦6人タッグデスマッチ”とするよう要求していたが、黒田に拒否されたためご破算になったと本部席からアナウンス。

 渡鳥連合の面々が入場するなり奇襲して場外戦に持ち込み、木村がリング上に雀卓を持ち込んでニコニコと笑いながら牌を並べていく。場外戦で黒田を痛めつけていた竹田がリングに引っ張り込み、渡鳥連合の3人と黒田の4人で東風戦が開局。黒田は配牌を並べ替えていくうちに顔色が険しくなっていき、親の打牌の前に雀卓返しで強制流局。
 ミステリーと刃が加勢に入り、竹田にトレイン攻撃を仕掛けようとするが、刃の串刺しエルボーをかわした竹田が黒田&ミステリーを2人まとめてスピアーでなぎ倒す。再び木村が雀卓を立て直して牌を並べ始めると、秀旺が刃を4人目に選んで卓を囲み始めるが、「やっぱお前じゃダメだ!」と蹴飛ばして再び黒田をメンバーに。しかし黒田は今回も配牌が悪かったのか雀卓をひっくり返して流局させてしまう。

 これに堪忍袋の緒が切れた秀旺は雀卓を振り上げて黒田に殴りかかるが、黒田はこれをキャッチしてチョップで反撃。インディー界屈指の大型選手同士のチョップ合戦が展開され、互角と見るや互いにロープに飛んでラリアットでぶつかり合うもこれもまた互角。ならばと秀旺は顔面かきむしりからのラリアットを狙うが、黒田がカウンターのレフトハンドラリアット。両者タッチ。

 刃はドロップキックで渡鳥連合の面々と次々と蹴散らしていき、竹田のロープワークを読み切ってジャンピングエルボーをヒット。さらにロープに飛んでいくが、竹田がこれをキャッチしてカウンターのスイング式サイドバスター。竹田はヒザを付いた刃にソバットを放つが、刃はこれをキャッチして足へのDDTからアンクルロックへ。竹田も前転して切り返しアンクルロックで切り返すなどスリリングな攻防が展開され、ロープに逃れた刃に竹田が串刺しランニングニー。さらに走るが、刃がカウンターのドロップキックをヒットさせ痛み分け。両者タッチ。
 ミステリーと木村の対面となると、ミステリーがエルボースマッシュ連打でコーナーに押し込み串刺しバックエルボーからブレーンバスター。さらにトップロープ越しのローリングセントーンとフェイバリットムーブを決め、チョークスラムでの決着を狙う。木村がこれを背面着地してロープへプッシュすると、竹田がエプロンを駆けてニーバット。そして秀旺&竹田がクラッシュギャルズのようなW正拳突きを叩き込み、木村がランニングSTO。

 これを黒田がカットするとリング上は全員入り乱れる混戦となるも、黒田がダブルラリアットで秀旺&竹田を排除。刃が木村に延髄斬りを叩き込み、黒田がサイレント哲っちゃんカッター。強力なアシストを得たミステリーがチョークスラムで叩きつけて3カウントを奪った。

第2試合


 持ち前の愛嬌から来るコミカルスタイルとバトラーツリスペクトのバチバチスタイルを融合させた唯一無二のレスラーである阿部と、その独特の世界観から数多くの熱狂的なファンを持つじいちゃんのシングルマッチ。僧侶レスラーの阿部と、いつ逝ってもおかしくない世界最高齢レスラーが闘うという禁断の一戦となった。

 足の悪いじいちゃんは歩くのも遅くロープをまたいでリングインするのも一苦労。入場コールから約6分かけてようやくリングイン。
 阿部とじいちゃんが対峙し、ゴングが鳴ると阿部がいきなりの伊良部パンチ。力なく倒れ込むじいちゃんを阿部がフォールも、レフェリーが高齢者福祉の観点からかゆっくりとカウントしていき、じいちゃんもゆっくりと肩を上げる。阿部はレフェリーに抗議するも、その背後からじいちゃんが迫りゆっくりと首固め。阿部の両肩がマットに付いた瞬間、阿部の抗議を受け入れ柔軟に対応したレフェリーが高速カウントを始め、阿部は慌ててキックアウト。

 じいちゃんは試合が終わったと勘違いして帰ろうとしたり、阿部と間違えてレフェリーに向けてファイティングポーズを取ったりと独特の間で会場を支配。そして格闘プロレスにも趣の深い阿部にゆっくりとしたローキックを連発していく。当然のようにノーダメージの阿部はお手本のような強烈なローキックを叩き込むとじいちゃんはバタリと倒れ込む。それでもじいちゃんの闘志は衰えず、ゆっくりとしたチョップを連打していくも、阿部の返礼は強烈なビンタ。

 絶体絶命のじいちゃんだったが、倒れ伏す自身を見下ろす阿部の足を身体の一部として認められた杖で突き刺し、さらに阿部の脳天へ杖を振り下ろす。さらに阿部の頭を踏みつけて固定しながらゲートボールのように阿部の頭に杖をスイングして叩きつける。そしてじいちゃんは阿部をゆっくりとロープに振っていくが、阿部は全力ダッシュからヒザを撃ち抜く低空ドロップキック。即座にアキレス腱固めに捕らえるも、じいちゃんは杖を伸ばしてロープブレイク。

 阿部はグーパンチをじいちゃんの脳天に打ち下ろしていき、コーナーに振ろうとするもじいちゃんが走れないため歩行介助のような光景に。しかしじいちゃんは阿部のみぞおちを杖で刺突するとコーナーに振り、右手を掲げながらゆっくりと串刺しラリアットを狙うも阿部はゆうゆうと回避し、回転浄土宗の発射体勢へ。しかしじいちゃんは阿部の喉に杖を突き刺してこれを阻止。

 じいちゃんはロープに杖を突きながら阿部の腕を取って拝み渡りを見せていくが、阿部がじいちゃんの杖を奪い取ってしまう。支えを失ったじいちゃんは大きくよろけてあわや落下するかという危機に見舞われるが、杖を奪われたことでリミッターが外れて暴走モードに突入。じいちゃんはトップロープとセカンドロープをまるでトランポリンのように使って軽快に跳ねながらスワンダイブ式アームドラッグ。さらに阿部のエルボーをかわして機敏にロープに飛んでドロップキック。場外に転落した阿部を軽やかなプランチャで追撃する。

 阿部をリングに戻したじいちゃんは、大きく足を振り上げてリングを踏み鳴らしながらチョークスラムを狙っていくが、持ち上げられた瞬間に阿部がカウンターのゼロ距離ジャンピングニー。さらにミドルキックで追撃するが、じいちゃんはこれをキャッチしてドラゴンスクリュー、プロレスLOVEポーズを決めてからのシャイニング・ウィザードと大暴れ。続けてじいちゃんはゆっくりと見得を切ってからじいちゃんボムを狙うが、力んだ瞬間に腰を痛めてしまい力なく尻もち。再び杖を手にとってゆっくりと立ち上がる。

 阿部はこのチャンスを見逃さず、強烈なみちのくドライバーからバックドロップを狙うが、じいちゃんは杖の持ち手部分をロープに引っ掛けて持ち上げられることを阻止。阿部は杖を蹴飛ばしてバックドロップを狙うが、杖を手放したことでじいちゃんは再び暴走モードに突入。バックドロップを一回転着地すると阿部の振り向きざまに飛びついてウラカン・ラナ。両足を抱えてしっかりとフォールも、阿部がひっくり返して逆にエビ固めで押さえお込み、これでカウント3。
 阿部が勝ち名乗りを受けるも、じいちゃんも自身の勝利を確信して勝ち名乗りを上げており、最後まで勝敗の真実に気付いていない様子で退場していった。

第3試合


 TTTのレギュラーメンバーであり、前回大会では意外なダーティファイトも見せた政岡&光珠のタッグと、TTT初参戦の柴田&前回に引き続き参戦の那須という西調布のかほりを漂わせるタッグが激突。なお、この日は政岡の30歳の誕生日。バースデーマッチを勝利で飾れるかに注目が集まる中、柴田&那須がUWFのメインテーマで入場すると会場の一部が大盛り上がりを見せる。

 まずは那須と竹田が身を低くしながら足を取り合うじっくりとしたグラウンドレスリングを展開し、光珠がレッグロックやトゥーホールドで痛めつけていくも那須がヘッドシザースからの腕十字で切り返し、光珠はロープブレイク。那須がヘッドロックからテイクダウンを奪うも光珠は即座にヘッドシザースで切り返しクリーンブレイク。両者タッチへ。
 柴田と政岡の対面となると、政岡がショルダータックルでぶつかっていくも圧倒的な体格差は如何ともし難く柴田はビクともしない。ならばと政岡は柴田のつま先を踏みつけてからの顔面かきむしり。さらに柴田のタックルをスライディングでかわしてアリキック。政岡がロープへ飛ぶが、柴田はカウンターのショルダータックルで吹き飛ばしエルボードロップで追撃。政岡をコーナーに押し付けながら全体重をかけて踏みつけていく。
 代わる那須は強烈なサッカーボールキックを連打し政岡を挑発。両者エルボーの打ち合いとなるも、これを制した那須が首投げから再びサッカーボールキック。柴田にタッチ。
 柴田はチンロックからジャンピングブレーンバスター。那須にタッチ。
 那須はコーナーに押し付けながら政岡に逆水平チョップを連打し、ブレーンバスターを狙うが政岡が背面着地してロープへ飛び、ヒザを撃ち抜く低空ドロップキック。さらに那須のラリアットをかわしながら2発目、3発目と低空ドロップキックをヒザに見舞い、光珠にタッチ。

 光珠はコーナーに控える柴田へ高さのあるドロップキックで場外に蹴落とし、那須とエルボー合戦を展開。再び那須が連打で押し切りロープへ飛ぶが、光珠はフラップジャックで迎え撃ち、顔面へ低空ドロップキックからブレーンバスター。さらに必殺のジャーマン・スープレックス・ホールドを狙っていくが、那須が耐えると光珠はソバットからロープへ飛ぶ。那須はカウンターの稲妻レッグラリアートを叩き込み、柴田にタッチ。

 柴田は光珠に串刺しボディスプラッシュを放つが、光珠はこれをかわしてロープへ飛ぶ。しかし柴田は空中胴絞落としで圧殺。さらに光珠の得意技である強烈なスピアーを正面から受け止める怪力を見せつけ、光珠をロープに振る。しかしここで政岡がタッチロープを握りながら手を伸ばし光珠にブラインドタッチ。試合権利を自身に移して光珠の危機を救い、柴田へスワンダイブ式ミサイルキック。光珠もミサイルキックで追撃し、政岡が柴田の側頭部へトラースキック。さらに2人で柴田をブレーンバスターで投げようとするが、柴田が2人まとめてブレーンバスターで投げ飛ばし、那須にタッチ。


 那須は強烈なミドルキック連打から後頭部への低空ドロップキック。柴田とともにトレイン攻撃を見舞い、柴田が那須を背負う形から一気に押しつぶす合体ボディプレスで政岡を圧殺。光珠が必死のカットを見せると政岡が気迫のエルボー連打。これを耐えきった那須がPKからロープへ飛ぶが、政岡はレフェリーを引っ掴んで那須にシュート。思わず那須が立ち止まってしまった瞬間、レフェリーのブラインドを突いて急所蹴りを叩き込み、そのまま得意の2trapで器用に丸め込みカウント3。政岡がベテラン相手から勝利を奪いバースデーマッチを勝利で飾った。

第4試合


 今年1月にTTTに入団した瀧澤はTORUとのタッグを熱望。元々TORUは「軽い感じがして、プロレスやってる中で気持ちがこもってないように見えてた」と瀧澤をあまり評価していなかったものの、瀧澤の所属初戦でシングルマッチを行ったことでその熱を感じ取り、前回大会からタッグを結成。タッグチーム“T-odds(ティーオッズ)”として他団体でも活躍し、今大会でTTTマットに凱旋。
 対するは、インディーマットでその名を知らぬものはいないほどの名タッグ“Speed of Sounds”のツトム&千賀。T-oddsの2人が前回大会で対戦相手に希望したSpeed of Soundsとの対戦が早速実現した。

 まずはレスリングをバックボーンに持つTORUと柔道をバックボーンに持つツトムが重厚なグラウンドレスリングやリストの取り合いを展開し、互角のままクリーンブレイク。両者タッチ。
 千賀と瀧澤の対面となると、ロープへ飛んでいく瀧澤の足を千賀が払い、互いにロープへ飛びながらリープフロッグ、アームドラッグと一転してスピーディな攻防が展開され、瀧澤の丸め込みを読み切った千賀のエルボードロップを瀧澤が読み切って回避するといった攻防が展開され、瀧澤がフランケンシュタイナーで放り捨ててこの攻防を制す。

 TORUに試合権利が移ると、瀧澤が千賀をカニバサミで倒し、TORUがフットスタンプ、瀧澤がローリングクラッチでひっくり返して仰向けにし、TORUがその顔面に低空ドロップキックを叩き込むという目まぐるしい連携攻撃。さらにTORUが千賀にツトムを肩車させるような形でセットし、瀧澤が2人にまとめてフェイスクラッシャー。2人が連結したままTORU&瀧澤が2人で弓矢固めに捕らえるという世にも珍しい連携技を見せる。
 タッチを受けた瀧澤が千賀を引き起こそうとすると、千賀は下から組み付いて首固め。キックアウトした瀧澤をDDTで突き刺してツトムにタッチ。
 ツトムもDDTで続き、自軍コーナーに叩きつけて千賀とともに瀧澤の顔面を踏みつける。
 再び千賀が出てくると瀧澤がエルボー連打で反撃するも、千賀が瀧澤を場外に放り出しツトムが鉄柱に叩きつけるラフファイトでアシスト。リングに戻った瀧澤がエルボー連打からロープに振ってドロップキックを放つも、千賀はロープに捕まってタイミングをずらし瀧澤を自爆させる。千賀がロープに飛ぶも、瀧澤がカウンターのドロップキックをヒットさせTORUにタッチ。

 TORUは千賀をロープに振って投げっぱなしフロントスープレックス。さらに千賀をコーナーに叩きつけてエルボーを連打し、カットに来たツトムも重ねて足を払って座らせる。ここにグロッキー状態の瀧澤を引っ張り込み、高速ブレーンバスターでSOSに瀧澤を叩きつける合体攻撃(?)を炸裂させる。さらにTORUは開脚式の変形スイングネックブリーカーから相手の腕を自身の首に絡める変形クロスフェイス。

 千賀がこれをブレイクするとTORUはファルコンアローを狙うが、千賀がTORUの首をクラッチしながら背面着地。ここにツトムがスワンダイブ式のダイビングラリアットを放つ合体ネックブリーカーが決まる。
 タッチを受けたツトムはスワンダイブ式ミサイルキックを狙うが、滝澤はこれをスライディングで回避し、逆にスワンダイブ式クロスチョップをクリーンヒット。さらに得意のココナツクラッシュ&チンクラッシャーのコンビネーションからRKOの体勢もツトムはバックスライドで切り返す。これをTORUがカットすると千賀も入ってきて混戦になり、T-oddsの2人がエルボー連打から同時にロープに飛ぶが、SOSは前転からのドロップキックを同時に放って場外に落とすと、2人同時のプランチャで編隊飛行。

 滝澤をリングに戻すと、SOSが同時のトラースキックから展覧会の絵を狙うが、滝澤が着地して2人をぶつけ、ツトムにミスティカ。さらにTORUが肩車からの開脚式フェイスバスターを見舞い、T-oddsが合体攻撃を狙っていくが、ツトムがTORUをフランケンシュタイナーで放り捨て、千賀がアームドラッグからの延髄斬りでTORUの排除を目論む。TORUはこれを耐えきってドロップキックで千賀に反撃し、4人リングに大の字になるクアトラプルダウン。

 いち早く起き上がったツトムが滝澤をコーナーに振って突っ込んでいくが、滝澤がこれをかわすとTORUがエプロンを駆けてロープ越しに延髄斬りを叩き込み、シャイニング・ウィザードで追撃する好アシスト。さらにT-oddsは合体技であるマンバリー(※TORUのフラップジャックに滝澤がRKOを合わせる)を叩き込み、滝澤がチルト3での決着を狙う。
 ツトムはこれを回転エビ固めで切り返し、滝澤もこれをひっくり返してエビ固めへ。しかし滝澤が身を起こした瞬間に千賀のトラースキックが側頭部に突き刺さる。千賀はカットに来たTORUにトラースキックを発射もTORUがこれをキャッチ。するとその横からツトムがトラースキックをTORUの顔面に突き刺し排除。鉄壁の連携を見せたSOSが滝澤を展覧会の絵で叩きつけ、これで3カウント。

 正式にタッグを結成してから初のホーム戦は黒星スタートとなったT-odds。大ダメージを負った瀧澤をTORUが助け起こし、2人一緒に退場していった。

第5試合


 前々回大会での6人タッグマッチでCCWカナディアンヘビー級王者であった佐山駿介を破って王座挑戦を宣言し、前回大会で一発戴冠を果たした西日本を代表する気鋭の若手であるダブプロレスの木下。666のきかんしゃ級王座と合わせて二冠王となった木下に挑戦したのはTTTの鬼将軍・ガッツ石島。ガッツは昨年12月の試合中に左鎖骨骨折の怪我を負い欠場中であったが、至宝を奪還すべく復帰のスケジュールを早め、ホーム復帰戦での王座挑戦を表明。
インディー界随一の巨漢であるガッツと比較的小柄な木下の体重差は約70kg。若き王者はこの差をものともせず得意技のジャーマン・スープレックス・ホールドで勝利することを宣言しており、対するガッツも「都合良く食らうと思ったら大間違い」とベテランとしての意地を口にしていた。

試合はクリーンな握手から始まり、ロックアップで組み合っていくも圧倒的な体格差からガッツはビクともせず、逆にゆうゆうと木下をロープに押し込んで見せる。
 手4つからガッツがカニバサミでグラウンドに持ち込みバックマウントからの首の取り合いを展開。ガッツがじっくりとヘッドロックで苦しめると木下はショルダータックルでぶつかっていくが、ガッツは倒れず。ガッツがロープに飛ぶと木下が追走してドロップキックを叩き込むも、ガッツはこれを耐えていきなりのラリアット。木下の身体が木の葉のように舞う。
 ガッツはストンピングを見舞いながら「立てコラ!」と挑発。木下がエルボー連打で突っ張っていくもガッツはゴツリと音の響く強烈なヘッドバッドで怯ませスリーパーホールド。木下はなんとかブレイクしてさらにエルボー連打も、ガッツはナックル連打からエルボースマッシュ。木下はボディスラムで上げようとするがガッツは余裕の表情で人差し指を立てて横に振る。ガッツは軽々とボディスラムで叩きつけてエルボードロップで追撃。さらにバックドロップを狙っていくも、木下がバックを取り返してジャーマン狙い。ガッツはこれをバック走で木下をコーナーに叩きつけることで脱出し、ブレーンバスターからロープに押し込みながらのナックル、エルボーを連打。さらにロープに飛んでラリアットを狙うが、木下は追走式のドロップキックをカウンターでヒットさせ、反撃の狼煙を上げる。

 木下は体全体でぶつかっていくランニングエルボーでガッツをなぎ倒し、トラースキックで側頭部を撃ち抜いてフィッシャーマンズ・スープレックスを狙う。ガッツが腰を落として耐えると、木下は振り払って延髄斬りからフィッシャーマンズ・スープレックス・ホールド。

 木下はジャーマンのクラッチを見せながら「投げるぞ!」と雄叫び。腰を落とすガッツをぶっこ抜いて持ち上げるパワーを見せるも、体重差は如何ともし難く潰れてしまいガッツの全体重をその身に浴びて逆に大ダメージを負う結果となってしまう。


 ガッツはブルドッギングヘッドロックから木下をロープに振ってパワースラム。さらにWARスペシャルで絞り上げ、木下を失神寸前まで追い込んでいくが、木下は絶対にギブアップはしないという鋼の精神を見せつける。ガッツはバックドロップを狙い、木下が背面着地すると振り向きざまのラリアットで即座に対応。体固めに入るもカウント2で自らフォールを解き、「まだまだ」と言わんばかりに人差し指を横に振り、数々の強敵を葬ってきたゴーストバスターで突き刺してみせるも木下はギリギリでキックアウト。

 信じられないといった様子で驚愕の表情を浮かべるガッツは勝負を急いでラリアットを発射も、木下はこれをキャッチしてバックスライド。さらに首固めを狙うも、ガッツはこれを耐えきり、ぶっこ抜きのゴーストバスターの体勢へ。しかし木下はこれを背面着地するとその勢いを乗せた渾身のスクールボーイ。全体重をかけた必死のフォールで3カウントをもぎ取った。

エンディング


 ガッツは「カウント2で返した」というジェスチャーでレフェリーに抗議するものの、勝利した木下を讃え、ベルトを王者の腰に巻く。そして木下の手を掲げ上げた瞬間、渡鳥連合の面々が乱入して木下&ガッツを暴行。木村が再びリングに持ち込んだ雀卓に竹田と木村が牌を並べる中、秀旺がマイクを取る。

秀旺「どーもこんばんは!今非常に、世の中が緊急事態の状況です。その中で、ここに水晶があるんだけど、何を言いたいかって言うと、この水晶のパワーを感じててね。今、脱原発問題が非常に深刻化しています。今、俺の地元・岩手県花巻市大迫町大迫X-XX-X。こちらで2.5兆円をかけてこの水晶パワーによる発電センターみたいなものを作っていこうと思います。そういうのを皆さん1人1人が応援して、これから俺たち渡り鳥のパスポートのない世界を実現させていければいいと思います。まず、一歩はね、この流れの話とは少し違うんだけど、ここにいる小僧。ガキ。こういうのにベルトを巻かせているような団体。これは遺憾です。彼はチャンピオンとしてふさわしくないと思ってる。だからどこかの機会で、今日はいないけども、ウチの塚本拓海をチャレンジャーとしてどうかなと思ってます。そして、なんかここにいる小汚い怪我してる意味のわかんない汚い人がいるんだけど、この人がTTTのインディー統一無差別級王座のベルトっていうのを公開したみたいなんだけど、俺が立候補して、出ます!どうですかね?どうですか、皆さん。でね、今この試合はメインだと思ってるかも知れないけど、今日のメインは麻雀大会なんでね。是非見て帰っていただきたいと思います」

 ここにTORUがやって来ると、雀卓を蹴散らすかと思いきや木村をどかして着席。三麻を始めながらTORUがマイクで秀旺に語りかける。

TORU「藤原秀旺、ほぼほぼ、初めましてですね。TTT認定インディー統一無差別級王座、初代王者のチャンスがあって、俺が立候補せんわけにはいかんやろ。それも含めて、俺は藤原秀旺、俺はあなたに興味津々や。是非、一度、藤原秀旺を1vs1で俺に味わわせてくださいよ」

 2人が卓を挟んで睨み合う中、ここまで事態を静観していたガッツがおもむろに歩みだし、雀卓を蹴り上げる。

ガッツ「テメェらこの野郎!ガタガタガタガタお前よぉ!神聖なリングの上で麻雀とかしやがってこの野郎!メインイベントは俺と亨平のタイトルマッチだこの野郎オイ!よぉし!この俺が現場監督権限でお前らの試合考えてやるよ!6月13日新宿FACE大会、あとCCW戦!木下vs塚本、決定!もう1つ新宿FACEビッグマッチでTTT認定インディー統一無差別級王座初代王者決定戦、TORUvs藤原秀旺、決定ッ!……私は負けたんで、初代王者決定戦出れないと思うから。ここは今日勝った、復帰戦でタイトルマッチという権力を使った横暴なことをして、勝てると思ったらやっぱり落とし穴があったな。見事に丸め込まれてた。やっぱお前チャンピオンだ。今日はチャンピオンの亨平がバシッとこの場を締めてくれ!」

木下「……ちょっと、この短時間に色んなことがありすぎて、僕もよく分かりませんが(笑)」
ガッツ「こないだの666の素顔の会長みたいな」
木下「これ何人それが分かるか別として(笑)今日僕はガッツさんをジャーマンで投げられなかったので、必ず投げるまでこのベルト、守り続けます。必ず僕ともう1回このベルトかけて試合して下さい。お願いします!」
ガッツ「投げられないようにさらに不摂生します。よろしくおねがいします!(笑)」
木下「さぁ、6月の防衛戦に向けて、まだまだ!まだまだ!!まだまだ突っ走っていきますんで、皆さんご期待下さい!今日はどうもありがとうございました!」

<試合後コメント>

藤原秀旺
「TTTがインディー統一無差別級のベルトを作るということで、そういう物を出してきたということは俺が行かなきゃいけないなっていうのもあるし。でも、ベルトを獲ること以上に、彼らがやっていること以上に、エネルギー問題、脱原発問題は人間としてのテーマかなと思っているので。相手はTORUですけどね、若いんで、もがき苦しみながら様々なこと、資源とかを与えていければいいと思います。渡鳥連合は元々パスポートのない世界を作ろうってことで作られたものなんでね、国境のない世界平和を作っていこうと思います」

ガッツ石島
――今日は復帰戦でタイトル挑戦でしたが、結果は残念なものになりました
「強行復帰で勝てるほど甘くなかったね。いやぁ、行けると思ったんだけどね。復帰後シングルは初めてだったけど、コンディションは作ってきたから良かったんだけど、最後の最後でアレ持っていかれるとは思わなかったね。チャンピオンになってアイツも成長してるね。1発ゴーストバスター決めたから、アレで終わりと思ったら返されて、もう1発行こうと思ったら、出来なかったね」

――ゴーストバスターを返されたのは誤算だった
「そうですね。ラリアットはちょっとまだ厳しいと思ったから、念には念を入れてまたゴーストバスター行こうと思ったらアレを返されたからね。結構いい角度で行ってたでしょ?アレを返されるんだから、強くなってるよね。試合数を彼は重ねてるから。場数踏んでるだけあってね」

――大会オープニングではTTT認定インディー統一無差別級王座のベルト創設が発表され、エンディングではTORUvs秀旺の初代王者決定戦が発表されました
「今日の試合に勝って初めて俺がスタートラインに立てると思ってたから、それでベルト統一したかったんだけど、今日は負けちゃったから俺には権利ないんでね。でも今日の負けで下を向く必要は無いんでね。なんらかの行動を起こして、ベルト獲った方に俺が名乗りを上げてやるって感じですね」

――団体としては、新王座をどのようなものにしていきたい?
「それはやっぱね、インディー統一という名の通りインディーを代表するベルトにしたいなと思って。だから、団体の垣根なく色んな人に名乗りを上げて欲しいなと思っています」

――ベルト統一という観点で見ると、今日の結果からは先行き不透明なものになりました
「俺が個人的に統一しようと思ってた話で。無差別のベルトとCCWのベルトがあるとぼやけるかなと思ったけど、CCWにはCCWの思い入れがある。藤原秀旺が復活させたベルトだから思い入れがあると思うんで。それはアイツが塚本と亨平の間でやってどうなるかは分からないんで。俺自身は統一をまだ諦めていないんで、機が熟したらまた動きたいと思いますね」

T-odds(TORU&瀧澤晃頼)
――ホームでのT-odds初戦はいかがでしたか
TORU「今日の昼、他団体の試合(J STAGE)でもT-oddsとして試合させてもらって、今日の2試合目でも日本を代表するタッグチームであるSOSと試合をさせていただきました。負けて得るものももちろんあったし、手応えもあったけど、同時に僕らのウィークポイント、課題がハッキリ分かったんで。それはそれで今日は良かったかなと思います。何かは言いませんけど、課題はハッキリ見えました。なにも見つからずに負けるんじゃなくて、こういう負け方なら価値があることなんで、SOSのお二人、ありがとうございました」

――この1ヶ月でタッグチームとして大きな成長があったと思います
TORU「僕だけどんだけ頑張ってもどうこう出来ることじゃないし、瀧澤だけ頑張ってもどうこう出来ることじゃないんで。試合は無い中でしたけど、しっかりコミュニケーションは取れていたんじゃないかと思います」

――瀧澤選手のモチベーションの高さが試合に現れていたと思います
瀧澤「あぁ、ホントですか。ありがとうございます。TORUさんと早く結果を残したいので、やっぱいつも以上に気合は入りますよね。今日はやっぱり、行けそうなチャンスはいっぱいありましたし。焦りすぎないように気合を入れていきたいと思います」

――次にSOSとやるときには勝敗が読めないと感じさせる試合だったと思います
TORU「まあ、勝つ気でやってますから、そういう場面を作れたのは良かったと思いますし、この土日でT-oddsとして3試合出来るわけですから。今日の昼はJ STAGEで進祐哉選手&拳剛選手、夜はSOS、明日は俺たちはT-oddsメジャーを体感できるわけですから(※OSW 井上雅央&越中詩郎&鈴木鼓太郎vsTORU&瀧澤晃頼&クワイエット・ストーム)。この2人でジャンルの違う経験をいっぱい積める。ホンマに成長どころでは済まされないほどに」
瀧澤「進化しましょう!」
TORU「いつまでも成長成長とは言ってられんのでね」
瀧澤「進化しましょう!」

――今日感じた課題というのは具体的に……
TORU「(※食い気味に)言いません。言えません」
瀧澤「企業秘密です」
TORU「ただ、明確に見えた」
瀧澤「伸びしろしか無いです」
TORU「『なにがダメなんだろ……モヤモヤするなぁ……』ってのは無いです」

――それが試合後の笑顔にも現れていた?
TORU「笑顔でした?!(笑)まあ、SOSとしっかり渡り合えたってのは自身にもなりましたね」
瀧澤「このタイミングで出来たのはホント良かったですよ」

――今後もT-oddsとして他団体でも暴れていく?
TORU「もちろん。ウチの団体には、今日シングル王座の新設が発表されましたけど、タッグのベルトはまだ無いんでね。どんな団体でも呼ばれればいつでも、何のベルトでも挑戦します」
瀧澤「T-oddsが!獲らせていただきます!」

――T-oddsというチーム名の意味を教えて下さい
瀧澤「色んな意味のT!」
TORU「TORUの“T”、瀧澤の“T”、そして、TTTの“T”」
瀧澤「オッズはね、僕らの勝利に期待して賭けてくださいと」
TORU「オッズをどんどん下げていきたいね」
瀧澤「試合の勝敗予想をしたときにみんな僕らの勝利にベットしちゃってオッズが最低になるようなチームにしたいというのが、T-oddsでございます!」

――TORU選手、改めて新王座決定戦についての想いを聞かせて下さい
TORU「CCWは厳密に言うとTTTのタイトルじゃないんでね。旗揚げ1周年を過ぎて、このタイミングでビッグマッチでの初代王座決定戦をやるってなったら、やっぱ瀧澤には悪いけど、俺も休み明けで個人として印象を何も残せてないんで『ここは俺が行かなアカンやろ』と。ホント瀧澤には悪いんですけどね」

――「藤原秀旺に興味がある」という言葉もありました
TORU「団体の新設王座は所属の人間が巻くべきだと思うんで。あと、俺、結構藤原秀旺が……好きですね。かなり好きです。でも、多分リングの上ではほぼほぼ初めまして。ずっと興味はあったし、惹かれるものもあった。だからいつ藤原秀旺とリングで会えるんだって、真GUTS軍興行時代からずーっと待ちわびて待ちわびて、新設王座の初代王座決定戦に藤原秀旺が立候補した。ここは行くべきでしょう!藤原秀旺を“体感”したい。新王座も“戴冠”したい」
(※満面のドヤ顔でキメたTORUの言葉を聞いて隣にいた瀧澤が思わず吹き出し、ツボにはまった様子でしばらく笑い転げる)

――新宿FACE大会はTTT初のビッグマッチで、新王座決定戦は恐らくメインイベントになるかと思われます
TORU「ホンマに初めましてで、どうなるか俺にも予想付かないし、お客さんにも付かないだろうし。でも、藤原秀旺ワールドを崩すというより僕がどっぷり浸かった上で勝ちたいと思います」

木下亨平
「キツかったですけど、ガッツさんに勝てて自信になりました。また大阪やいろんなところで僕のベルト姿を見てもらえます。前回の大会から凄く反響があったので。塚本選手は強いですけど、きょうの壁を乗り越えられたら大丈夫です!またガッツさんとやるまで防衛します!」

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