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試合結果2/25『TTTプロレスリング武骨道3』

会場:東京都・新木場1stRING
観衆:111人

▼武骨道シングルマッチ〜闘会其の壱〜 30分1本勝負
○阿部史典(BASARA)
7分1秒 腕極めお卍固め
●河原成幸(北都プロレス)

▼武骨道シングルマッチ〜闘会其の弐〜 30分1本勝負
●黒田哲広(フリー)
8分10秒 両者リングアウト
●怨霊(666)

▼武骨道シングルマッチ〜闘会其の参〜 30分1本勝負
○マスクドミステリー
7分37秒 熱波タオル式ラ・マヒストラル
●バナナ千賀(フリー)

▼武骨道シングルマッチ〜闘会其の肆〜 30分1本勝負
●佐山駿介
10分15秒 BDF→片エビ固め
○田中稔(フリー)

▼武骨道シングルマッチ〜闘会其の伍〜 30分1本勝負
○藤原秀旺(アライヴアンドメジャーズ)
6分21秒 胴絞めスリーパーホールド
●梅沢菊次郎(アライヴアンドメジャーズ)

▼武骨道シングルマッチ〜闘会其の陸〜 30分1本勝負
○ガッツ石島
7分42秒 フェイスバスター→片エビ固め
●大家健(ガン☆プロ)

▼武骨道シングルマッチ〜闘会其の柒〜 30分1本勝負
○CIMA(OWE)
20分33秒 メテオラ→エビ固め
●TORU

第1試合


 『武骨道』は、かつてミスター雁之助が主催していた全戦シングルマッチでの大会『鬼神道』をガッツ石島が継承した形で行われている大会。

 第1試合は、若き百戦錬磨の阿部が北都プロレスの河原に胸を貸すシングルマッチ。
 ロックアップから阿部がヘッドロックに捕らえショルダータックル。河原はさらに追撃を狙う阿部をヒップトスで迎撃してドロップキック。河原は阿部を引き起こして行くが、阿部は下から腕を取ってヒジへのオーバーヘッドキック。さらにヒジへのニーアッパー、腕へのドラゴンスクリュー、脇固めからの腹固めと徹底した腕攻めを行っていく。
 河原は痛む腕でエルボーを放っていき、阿部がコーナーに振っていくと河原はセカンドロープに飛び乗ってダイビングダブルニーでカウンター。さらに掌底連打からのソバット、DDT、ハーフハッチスープレックスと連撃していくが、追撃を狙って河原が引き起こしたところへ阿部が飛び付き腕十字。ロープブレイクを目指す河原を何度も転がして中央に引き戻しながらキーロックに切り替えて痛めつけるが、河原はなんとかロープへ。

 阿部はエルボーを連射していき、河原は鬼の形相でこれを正面から受け止める。すると阿部が河原をロープへ振ってドロップキックを狙うが、河原がロープに捕まって耐えて阿部を自爆させ、阿部の顔面へスライディングニー。さらに旋回式フラップジャックで叩きつけていき、阿部にバックを取られると即座にサムソンクラッチで対応。
 しかし阿部はキックアウトの際にロープまで飛び、場外に出ると見せかけて戻ってくるアイル・ビー・バック式ハムロール。しかし河原はこれを先読みして下からキャッチして首固めで切り返し、阿部の伊良部パンチをニーリフトでカウンター。さらにラリアットを狙ってロープに飛ぶが、阿部がカウンターのドロップキックを突き刺し、PK、伊良部パンチと連撃。最後は澤宗紀直伝のお卍固めからさらに腕をチキンウイングで固める腕極めお卍固めでギブアップを奪った。
 腕を抑えて悶絶する河原に対し、阿部は丁寧に座礼をしてから退場していった。

第2試合


 黒田哲広vs怨霊という90年代インディープロレスファン垂涎のシングルマッチ。
 試合が始まるとロックアップで組み合うが、その際に怨霊のエクトプラズムが舞い散り黒田がむせ込む。ここで怨霊がヒザへの低空ドロップキックから怨霊クラッチと秒殺を狙っていくが、黒田は慌ててキックアウト。

 その後向き合ってリストの取り合い、カニバサミで倒してのグラウンドでの足の取り合いとじっくりとしたレスリング戦に発展するも、黒田がショルダータックルでこれを制してヒップトス、ボディスラムと叩きつける。そして怨霊の足をコーナーポストやエルボードロップで痛めつける“哲っちゃん足殺し”を見舞い、リング中央で足4の字固め。
 怨霊が反転させながら転がってこれをロープブレイクすると、黒田は怨霊をコーナーに振って哲っちゃんカッターを狙ってコーナーへ上がっていくが、怨霊が下からローブローを2連発叩き込み、ブーイングする観客へ中指を立てる。怨霊は雪崩式ブレーンバスター、雪崩式フランケンシュタイナーと続け、さらにコーナーへ上がっていくが、黒田は下から飛びついて変形の哲っちゃんカッター。

 場外へ転がり落ちた怨霊を追って黒田が観客席までなだれ込んでいき、客席の椅子を使った凶器攻撃。怨霊がリングに戻るとローブローで悶絶させ、花道に出ての哲っちゃんバスターを狙っていく。これを振り払った怨霊は黒田の顔面へ死の灰を浴びせかけ、先にリングに戻ろうとするが黒田は怨霊の足にすがりつき、花道で足4の字固め。十分に痛めつけてから場外カウント19でリングに戻ろうとするが、怨霊が黒田の足を掴んで妨害。両者が花道でもみ合っている間に場外カウント20が数えられ、両者リングアウト負けとなった。
 互いにローブローを打ち合うなどラフな戦いとなったが、試合後には両者ほほえみながら握手を交わした。

第3試合


 “おふろの国プレゼンツ・熱波タオルデスマッチ”と銘打たれたこの試合は、横浜市鶴見区に存在するスーパー銭湯『おふろの国』のサウナを愛し、イベントも行っているミステリーと千賀の対戦。同所で熱波師として活躍する松田慶三率いる“熱波軍”不在の場で行われる熱波対決となったが、観衆は「ねーねーねー!ぱーぱーぱー!」の熱波コールに応えて一体感を演出する。
 両者は試合開始とともに互いに熱波タオルで熱波を送り合い、ミステリーが三階(コーナー上)で熱波を受けに行くと千賀も「お兄さんサウナ分かってるね~!」と上機嫌。千賀も三階へ上がってミステリーの熱波を受け、「アンタ最高だよ!」とミステリーと握手しようとするが、「隙有りィ!」と掴みかかってリストロック。ようやくプロレスの試合が始まる。
 互いに片手に熱波タオルを持った状態でリストを取り合っていき、千賀が熱波タオルをロープに引っ掛けてロープブレイク。ミステリーがショルダータックルで突っ込んでいくと、千賀は赤い熱波タオルを闘牛士のように使ってミステリーの突進をいなしていき、ミステリーの顔に熱波タオルを被せて視界を塞いだ状態でドロップキック。
 ミステリーは場外に逃れ、千賀はトップロープを飛び越えて追っていくが、ミステリーが千賀の着地地点に熱波タオルを敷いて待ち受けており、千賀の着地とともにテーブルクロス引き式足払い。場外乱闘の最中、互いに観衆や本部席の実況・解説担当にも熱波を浴びせていくが、ミステリーが千賀を追ってくると千賀が熱波タオルでミステリーの腕と本部席の机の脚を結びつけて動きを封じてリングアウト勝ちを狙う。

 場外カウント19でリング復帰したミステリーは熱波タオルで千賀の首を絞めながらトップロープ越しに放り出して絞首刑。これを見たレフリーが激怒してミステリーから熱波タオルを奪い取ろうとし、ミステリーと綱引き状態になっている中で千賀が突っ込んでくるが、ミステリーがその熱波タオルでラリアットのように千賀の首を横一閃。さらに熱波タオルをマントのようにまとってからトップロープ越しのローリングセントーンを放っていくが、これをかわした千賀が熱波タオルでミステリーの足を縛り付け、熱波式パラダイスロックからのドロップキック。
 足を縛られたミステリーはピョンピョン跳ねながらラリアットを狙っていくが、千賀がこれをかわして首固めへ。しかしミステリーは上下をひっくり返すとタオルで足を固めながらの熱波タオル式ラ・マヒストラルで3カウント。

 足を縛られたままのミステリーはピョンピョン跳ねながら退場していった。

第4試合


 初参戦となる田中稔と所属の佐山のシングルマッチ。藤原組でデビューした稔と、パンクラス道場出身の佐山の格闘プロレス対決に注目が集まる試合。
 ゴングが鳴ると互いにローキックで牽制しながら距離を詰めていき、互いのローキックがかすり始めると佐山が低空タックルでテイクダウンを奪う。しかし即座に稔が下から首を取りに行き、佐山もこれを上から潰してフォールに行くと稔もすぐさまキックアウト。張り詰めた空気のままクリーンブレイク。
 稔は手4つを仕掛けていくが、佐山がローキックを叩き込み、稔が体勢を崩すとミドルキックを連打。さらにロープに飛んでいくが、稔はカウンターのキチンシンク。腹を押えて悶絶する佐山を引き起こして改めてニーリフトを腹に突き刺すと、場外に逃れた佐山を追っていき、場外で1発、リングに戻して2発の腹へのニードロップから胴絞めと徹底した腹攻めを行う。これをブレイクした佐山がエルボーで向かっていくと、稔はソバットを腹に突き刺し、くの字に崩れ落ちる佐山を尻目にロープへ飛んでいくが、佐山はカウンターのドロップキックで反撃。

 佐山は稔をコーナーに振って串刺しランニングニーを叩き込み、フィッシャーマンバスターを狙っていくが、稔が振り払って腹へのニーリフト。さらに腹へのフットスタンプを突き立ててからコーナーに上がってBDFを放つが、佐山はこれを回避してレッグラリアート。さらにPKを放っていくが、稔はこれを後転してかわし、起き上がって振り向きざまのソバット。佐山はミドルキックで反撃し、蹴り足をキャッチされると逆足で延髄斬り。さらにバックドロップで叩きつけ、左右のエルボー連打からハイキックを放つが、稔はこれをかわしてバックを取り、投げっぱなしジャーマン・スープレックス。起き上がった佐山をショットガンドロップキックでコーナーに叩きつけ、雪崩式フィッシャーマンバスター。
 稔はさらに正調フィッシャーマンバスターを狙っていくが、佐山は首固めで切り返し、稔のキックアウトに合わせてトラースキック、フィッシャーマンバスターと続け、必殺のハイキック。

 稔はこれをガードしてレッグラリアートで吹き飛ばすと、バズソーキック、セカンドロープからのBDF、トップロープからのBDFと畳み掛け3カウントを奪った。
 試合後、ダメージが大きく立ち上がれない佐山の元へ稔が歩み寄り、右手を差し出す。佐山はその手を両手でしっかりと握り返し、互いに健闘を称え合った。

第5試合


 ともにアライヴアンドメジャーズに所属する梅沢と秀旺のシングルマッチ。両者の対戦成績は梅沢の5戦5勝であり、今回が6年ぶり6度目のシングルマッチとなった。
 普段の秀旺は自らが率いる“渡鳥連合”の面々とともにリング上に雀卓を持ち込んで賭博に興じるなどの自由奔放な入場を見せるが、この日の秀旺は真剣な表情のまま入場し、リング上で梅沢とバチバチの睨み合いを展開。普段は入場コスチュームのアロハシャツを着たまま試合に突入する秀旺だが、この日はシャツを脱いでから試合開始。
 手4つからロックアップで組み合い、ウエイトで勝る梅沢が秀旺を押し込んでいくと、秀旺はヘビー級の選手も一発で怯ませる逆水平チョップで反撃。しかし梅沢は表情一つ変えずこれを受けきって見せ、秀旺が袈裟斬りチョップ、ダブルチョップなどを交えて連打していくも梅沢は一歩ずつ秀旺に近づいていき、攻め込んでいるはずの秀旺がコーナーまで追い込まれる。
 そして梅沢が逆水平チョップで反撃すると、秀旺は一発で数歩後ずさり、大振りの一撃がヒットすると一発でダウンしてしまう場面も。すると秀旺はロープへ飛んでラリアットを放っていくが、梅沢はリング中央から動かずラリアットでこれを迎撃し、秀旺は何度もラリアットでぶつかっていくが逆に秀旺にダメージが蓄積してガックリと膝をついてしまう。

 秀旺と梅沢はさらに正面からチョップを打ち合い、形勢が互角と見るや再びラリアット合戦。しかし秀旺が不意に放ったフライングニールキックが梅沢の側頭部にクリーンヒットすると、不沈艦・梅沢もついに倒れ込み、秀旺が即座にグラウンドで胴絞スリーパーホールド。これがガッチリ極まるとレフリーが慌てて試合を止めた。
 梅沢は意識がハッキリせずセコンドの肩を借りて無言で退場していき、秀旺は自力で退場していくも途中でよろけてしまい観客席に手をつきながら会場から出ていくなど試合後も緊迫した空気が流れ、両者の死闘の様を物語った。

<試合後コメント>

藤原秀旺
(マスクを装着してウイルス対策をした上でコメント開始)
「おい。まずこの試合はどうでもいいんだよ俺の中で。政府!対応遅いだろ、この新コロナウイルス!俺がもっとぶち壊してやるよ!俺たちは渡鳥連合だよお前。渡り鳥だよお前。パスポートのない世界を作っていくんだよ。こんなもんいらないんだよハッキリ言って!(マスクを外して放り捨てる)元々ウイルスなんて無かったんだよ。分かったら出てけ!」

第6試合


 TTTの前進たる真GUTS軍興行の時代から続く“真GUTS軍vsガン☆プロ”の対抗戦。ガッツと大家は前日のガン☆プロ成城大会でもシングルマッチを行っており、この試合は大家が勝利。ランニングシャツを着た大家と、黒&黄色のワンショルダーに身を包んだガッツの対面は互いがリスペクトする先人の姿を感じさせる。
 試合が始まるとロックアップで組み合い、大家が押し込んでノータッチ・ヘッドバッド。ガッツも怯まずにノータッチ・ヘッドバッドで返していき、両者額を突き出してゴツゴツと頭からぶつかっていく。ガッツの一撃で怯んだかに見えた大家は助走をつけてのランニングエルボーでガッツをなぎ倒し、観客席になだれこんで両者ナックルで殴り合う。
 場外戦を優位に終えたガッツが大家をリングに戻し、さらにナックルで額を殴りつけていくと大家もナックルで殴り飛ばしてフェイスロック。ガッツがこれをブレイクすると再びノータッチ・ヘッドバッドでぶつかり合っていき、今度はガッツが距離を取ってフライングニールキック。さらにブルドッギングヘッドロックからフェイスバスターを狙うが、これは大家がショルダースルーで切り返す。

 大家はガッツに組み付いてDDOを3連発。さらにラリアットを狙うが、ガッツもラリアットで反撃し両者正面からのラリアット合戦へ。これをレフトハンドラリアットで制したガッツが「立てコラ!」と一喝してからバックドロップで叩きつけ、さらにコーナーへ振って串刺しラリアットを狙うが、大家が炎のスピアーでカウンター。

 大家はさらにDDOを狙っていくが、ガッツが耐えてぶっこ抜きのゴーストバスター。さらにこだわりのフェイスバスターで叩きつけると大家も肩を上げられずに3カウント。
 試合後、大家が握手を求めると、ガッツは一瞬だけ握り返した後に振り払って荒々しく退場していった。

第7試合


 この日、29歳の誕生日を迎えたTORUが幼少期から憧れたCIMAとシングルマッチを行うこの試合。TORUは「気後れせずにTORUのプロレスでCIMAさんに立ち向かう」とTTTのエースとしての覚悟を語っており、百戦錬磨のCIMAから金星を狙いたい試合。
 試合が始まるとロックアップからリストの取り合い、足を刈ってグラウンドでのレッグロックとオーソドックスなレスリング戦が展開されるが、TORUがキーロックから腕十字で速攻決着を狙いに行き、CIMAもこれを十字架固めで切り返すなど気を抜けない攻防が繰り広げられる。
 TORUがCIMAの足を刈ってロープへ飛び、CIMAのリープフロッグをスライディングでかわしてランニングバックエルボーを叩き込むと、CIMAは場外へエスケープ。これをTORUが追って場外に出ようとすると入れ違いにリングに戻ったCIMAがドロップキックでTORUを場外に突き落として場外戦へ。
 CIMAはTORUの腰を何度もエプロンに叩きつけ、場外のコンクリートの床へボディスラム。さらにリングに戻して腰へのローリングセントーンからターキーへ。TORUがギブアップしないと見るやリバーススプラッシュ式ダブルニードロップ。さらにTORUをコーナーに押し込んで足をロープに絡めてからヒザを撃ち抜く低空ドロップキックを見舞い、インディアンズデスロックへ。TORUがこれをブレイクするとTORUのセコンドに付いていたガッツへ向き直り「なにが武骨じゃ!俺、CIMAやぞ?」と挑発する余裕を見せる。

 CIMAはTORUをコーナーに振って突っ込んでいくが、TORUがブートで止めて回転エビ固め。しかし後転してフォールされずに抜け出したCIMAはTORUが今月初旬に負傷した肩へのダブルフットスタンプ。CIMAはTORUの延髄斬りをかわしてロープに走るが、TORUはカウンターの投げっぱなしフロントスープレックスでCIMAを叩きつける。
 TORUは雄叫びを上げながらCIMAに串刺しバックエルボーを見舞い、コーナー上からダイビングダブルフットスタンプ。さらにドラゴンスープレックスを狙っていくが、CIMAに振り払われると即座に延髄斬りで追撃し、肩車で担ぎ上げてから前へ放り捨てるフェイスバスター。続けてDガイストを狙っていくが、CIMAが背面に着地してバックドロップ。さらにTORUの上半身をセカンドロープにもたれかからせた状態でのメテオラ。悶絶するTORUの足をマフラーホールドに固めながら腕も取っていくが、TORUはなんとかロープへ足を伸ばす。

 CIMAはTORUをコーナーに上げてヴィーナスからのアイコノクラズム。さらにマッドスプラッシュを狙っていくが、TORUがコーナーに追いすがって雪崩式ブレーンバスターを狙う。CIMAはこれをコーナー上から回転エビ固めのように着地してパワーボム。さらにセカンドロープからのメテオラを叩き込む。

 そしてCIMAは「シュバイン行くぞ!」と宣言して担ぎ上げるが、TORUが回転エビ固めからの十字架固めで切り返し、CIMAの延髄斬りを被弾しながらもニーアッパー。さらにシャイニング・ウィザードを叩き込み、もう一発を狙って走ったところへCIMAが追走ドロップキック。TORUもCIMAがロープに飛ぶのに合わせて追走ドロップキックを見舞い、ロープにもたれかかるCIMAの後頭部へシャイニング・ウィザード。続けて必殺の垂直落下式ブレーンバスターを狙うが、CIMAが背面着地してバックスライド。後転してかわしたTORUに組み付いて担ぎ上げ、シュバインで叩きつけるとコーナー上からのメテオラを投下。これが完璧に決まるとTORUも肩を上げられず、3カウントが叩かれた。
 試合後、CIMAはTORUとガッツに向かって交互に人差し指を突き立て、TORUとの再戦を要求。観衆が大歓声を贈る中、CIMAがマイクを取る。

CIMA「石島選手、TORU!TTT、名前しっかり覚えたぞ!俺らも#STRONGHEARTSで世界周っとるんや。日本だけやない。メキシコも、アメリカも、ヨーロッパも、アジアも周ってる。でもな、俺ら#STRONGHEARTSは日本人や。日本人の若い素晴らしいレスラーがいてるんやったら、CIMAいつでも日本に帰ってきますよ!TORUともう一人、所属選手……(観衆から「佐山!」と教示)佐山!まだお前の名前は覚えてへんけどな、TORU、佐山。石島選手、コイツらを本物の、いっちょ前のプロレスラーにしたいんでしょう?#STRONGHEARTS、いつでも来るから!いいか!俺はこの業界に23年もドカンと居座ってるんや。でもな、#STRONGHEARTSには2人には少し敵わんかもしれんけど、デビューしたての鬼塚一聖がいてる。それからあっちゃこっちゃでヤンヤヤンヤ言わせてる入江茂弘!リンダマン!そしてT-Hawkもいてる!俺らはな、1万人の会場だろうが、AEW生中継だろうが、メキシコAAAのテレビマッチだろうが、新木場1stRINGだろうが関係あらへんやないか!プロレスラーはリングがあって、本物のプロレスラーを作ろうとしているトップがおるんやったら、客の数なんか関係ない!今日は紙一重で俺が勝ったかも分からんけど、半年後じゃまだ無理や。俺とアンタは経験値の差が多分1500倍くらい確実にあるから。半年じゃ無理かわからんけど、T-Hawk、リンダマン、入江、鬼塚と絡むことによって、その半年が半月になるかも分からんぞ!#STRONGHEARTSは、カンボジアのOWE、アメリカのAEWに所属してますけど、オファーがあればいつでも来ますんで!石島さん、本物のプロレスラー、世界に通用するプロレスラーになりたいんやったら、#STRONGHEARTSと一緒に!20代、業界下から上までドンドン盛り上げていこうや!今日は楽しかったで~!」

 CIMAが観衆にTORUコールを煽り、リング下に控えた佐山へ「シヤマ?」と問いかけると佐山が「佐山!」と怒りの訂正。ここでTORUがマイクを取る。

TORU「CIMAさん、今日はプレゼント的なカードで会社に組んでもらって初めて対戦させてもらいました。けどな、次やるときは次があるとするならば!それは会社にプレゼント的に組んでもらったカードでもなんでもなく、『TORUとCIMAがシングルやらなアカンのちゃうか』って会社にもお客さんにも思わせた上で次シングルマッチやったるからな!今までやったら……ほんのひと月前だったらこれでよかったんかもしれんけど、もうこの団体を旗揚げして、俺はエースと呼ばれて、『CIMAさんと試合しました。いい試合でした』じゃ済まされないんですよ。次やるときは勝ちにこだわってアンタの前に立たせてもらいますよ。そして次は俺の力で会場を超満員にした上で!アンタを超えさせてもらいますわ!」

CIMA「その意気や!俺らも#STRONGHEARTSも中国人をゼロ……いや、マイナスから育てて俺らは12月30日、後楽園ホールにたどり着いたんや。アンタの力でまず新木場!超満員、必ず出来るやろ!CIMAとTORUで、機が熟したらもう一回やろうや。しっかり覚えとけ。その前に今日はみんな疲れてるから俺一人で行かせてもろたけど、俺の前に鬼塚、入江、リンダマン、そして一番しんどいT-Hawkもいてるんやでコラ。すべて乗り越えてきたら喜んでこっちからオファーさせてもらおうやないかい!」

(CIMAは「効いた……大分効いた……」と後頭部を抱えながら退場。その背中を見送ったTORUが一人口を開く)

TORU「……まあ、目の前にしてああは強がって言いましたけど、今日はホンマに悔しいです。勝ち負けも悔しい。内容ももうちょっと出来たかもわからん。でも、やっぱいっぱいの人に見てもらいたかった。そこは自分の力不足やとホンマに痛感してます。でも、凹んでるだけやない。ただ凹んでるだけじゃ何も始まらないんで。今日来てもらったお客さんに満足してもらえるように全力出しました。次は!勝ちます!超満員にします!新木場だけじゃなく、後楽園ホールも絶対に満員にします!それだけは僕がこの団体にいる限りは約束します!もちろんずっといるつもりです!……ちょっと、ガッツさん。代わってもらっていいですか」

ガッツ「……この空気で代わるって結構キツいな(笑)あの関西人、ベチャクチャベチャクチャ喋ってさあ、結局アレだろ?!入江もリンダマンも全員使えってことだろ?!アイツ売り込みがうめぇなぁ?!(笑)こんな流れだったら使うしかねえじゃねぇかこれなぁ?!おう、アイツら忙しいみたいだからスケジュールが合うときに呼ぶよ!呼んだらTORUと佐山で相手しろ。あ、じゃあ俺も出撃しようかな?じゃあ3vs3でやってやるよ!……ということで、今日武骨道、全7試合!いかがだったでしょうか!まあTORUも言ってましたけど、旗揚げして1ヶ月、初の平日興行ということで、来ていただいたお客様、本当にありがとうございます!でも、俺たちはここで満足することなく、もっとお客さんたくさん呼んで、今以上に熱いファイトをしていきますので、今後ともTTTをよろしくお願いします!」

TORU「というわけで、3月、4月、5月、そして6月の新宿FACEに向けてみんなで今一度、一致団結して頑張っていきましょう!今日は本当に平日の忙しい中、新木場までお集まりいただいて、今日は本当にありがとうございました!」

<試合後コメント>

TORU
――CIMA選手との試合を終えていかがですか
「ちょうど1ヶ月前の旗揚げ戦の試合後にCIMAさんとのシングルマッチが突然発表されて、その会場にいた200人超えのお客さんはすごい歓声を上げてくれて、『すげぇじゃん!TORUとCIMAがやんのか!』『TTTにCIMAが来るのか!』ってすごい熱を感じたんですけど……本当に悔しい!それは本当に自分の実力不足です。CIMAさんと試合できた、シングルマッチ出来た、『すごいじゃん、よかったね』で終われるのは先月の24日までなんですよ。先月の1月25日からはこの団体の、皆さんのエースと呼ばれて、勝ち負けないし、集客ないし、全部俺に……俺だけじゃないけど、もちろん。でも、応援されない、お客さん呼べないのはエース失格です。プロレスって、リングの上で戦うのが仕事じゃなくて、プロレスラーってのはリングの上で戦って、それを見てもらって初めて仕事だと思うので、興味に来てくれたお客さんには絶対満足してもらえるように全力出してやったつもりですけど……うーん、正直ちょっと、悔しいですね。戦う前から負けてたような。そんな状況にしたくなかったんですけど、そんな気がしました」

――CIMA選手のどのあたりに強さを感じましたか
「いや、もう……もう……リング上で言われたとおり、僕がくぐってきた、色んな団体・相手・試合、そんな経験の1500倍って言ってましたよね?1500倍違うと思いますよ。全部圧倒されました。圧倒されないように行ったつもりだったんですけど、僕が小学生のときからずっとテレビで見てたCIMAさんとは全然違いました。昔見てたCIMAさんとは全然違う。今も進化し続けている」

――CIMA選手からリング上で「次やるときには鬼塚、入江、リンダマン、T-Hawkを乗り越えてから」という言葉がありました。最初に戦うとしたら誰の名が頭に浮かぶでしょうか
「1人と言うつもりはないですけど、入江とは……まあ、いつもは“シゲ”っていつも言ってるんですけど、シゲとは子供の頃からずっと一緒にプロレス見てて、友達みたいな関係で。#STRONGHEARTSで強いて特別に挙げるとするなら、入江茂弘ですね。でも、T-Hawk選手、リンダマン選手と対戦したことはないので、そちらも非常に気になっていますけど、誰かを倒していくのが手っ取り早いんでしょうけど、お客さんに、会社に、関係者に『TORUとCIMAはやるべきやろ』って思わせるようにやり続けていきます。それが全員を倒していくことが近道であるなら、その道を進んでいくつもりです」

CIMA
「ホントに僕個人的には1ヶ月半近くアメリカとメキシコにいて、帰国してすぐ5連戦ですか?横浜、DDT、それから昨日がプラズマ爆破、川崎で、一回大阪に帰って大日本プロレス出て、また今日出直して東京に出てTTTに出していただいたんですけど、最初ものすごく迷ったんですよ。スケジュール的に自信がなくて。でも一回家で寝てしまったら……一ヶ月半家で寝てない。また東京出てこれるかなと思ったんですけど、入江選手通じて連絡いただいた石島さんがものすごく熱くて。これにはやっぱり応えないわけにはいかないだろう、レスラーとして。これは本当に純粋にそう思いましたね。僕はライガーさんにレスラーとして一段階上に上げてもらったということを忘れていませんので。場所は新木場で始まった団体ですけど、さっきリング上で言った通り、石島選手がTORU選手と佐山選手をホントに一人前のプロレスラーにしたいという気持ちをすごく感じたので、僕でよければ、#STRONGHEARTSでよければ、いつでも来たいですね。アメリカにいようが、メキシコにいようが、ヨーロッパにいようが、オファーもらえたら飛んできますよ。だからこの最初の気持ち、TORUが言った『俺がこの新木場を満員にする』という気持ちは忘れないで欲しい。僕もOWE始めた時、今はカンボジアで毎日頑張ってますけど、まず僕らは新宿FACEからスタートして、高々500人くらいの規模かも分からないですけど、僕らからしたら札止め以外無いんですよ。札止めにしないと次がないんですよ。そのプレッシャーというのは、団体・会場の大きい・小さい・歴史は関係ないと思うんで。今日で絶対満足しちゃダメですよ。僕今度、#STRONGHEARTSで大阪で大会やります。300人弱の会場ですけど、札止め以外無いんです!ウチは!その気持ちっていうのを僕以上に、特にT-Hawkとリンダマンは持ってますんで。今日は彼らが『CIMA一人で行って来い』と送り出してくれましたけど、アイツらが来たらこんなもんじゃないから。ホントにケンカになるから。TTTが潰れるのか、#STRONGHEARTSに制圧されるのか分からんけど、今日はホントに武骨道、その気持ちはすごく感じました。是非2020年、令和のプロレス、新しくインディーを統一するんでしょう?僕らにくくりはないですけど、いつでも#STRONGHEARTSは来ますんで。今日はTORU選手はハッピーバースデーでしたけど、次はT-Hawkたちがガチで来ますんで。もちろんCIMAも来ますんで、いつでもまたこの団体呼んでほしいです。こういう元気な団体がどんどん日本に増えてほしいです」

――ご自身のライガー選手との対戦から、「全団体の若手を成長させてプロレス界に恩返しをしたい」という発言をされていますが、これは今後のテーマの1つなのでしょうか
「そうですね。これは別に自分が引いてるとかじゃなくて、CIMAってレスラーは思い出づくりの段階に入っていますので。そのために色んな国を周っていますので。AEWのテレビマッチ出してもらったりとか、AAAのテレビマッチ出してもらったりとか。でも翌日にはテキサスとかの田舎の300人くらいの会場で試合したりとか、どこでも喜んでプロレスさせてもらってますんで。もちろん今年もヨーロッパも、シンガポールも、アジアとかも行きますし、カンボジアも多分行くと思います。本当にCIMAというレスラーは思い出づくりの段階に入っていますんで、その中で自分だけの思い出になってもしょうがないんで。TTTも若い選手多いんで。WRESTLE-1もそうやし、大日本プロレスもそうや。昨日とかホントに田中将斗さんと試合できたりとか、大阪では関本さんと試合できたりとか、今まで無かったんで。思い出づくりですけど、業界がバゴン!となる……CIMAは小さいかも分からないですけど、起爆剤になればと思ってますんで。そのために世界で誰も積んだことのない経験を今#STRONGHEARTSは一生懸命積んでますんで!」

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